密恋
密恋
ザワザワと騒がしい教室の片隅

何故かそこだけ暗く見える。

事実、そこは他の場所と同じように明るいのだが

そう見えるのは

その席に座っている
相模菜摘(さがらなつみ)のせいであった。

菜摘は、大人しく
周りに溶け込もうとしなかった。

「あの子暗くない?」

「頭がちょっと良いからって鼻に賭けてるんじゃない」

時々聞こえる悪口

菜摘にも聞こえていたが反論などは、しなかった。

菜摘には、友達を作れない理由があった


下校時刻になると慌てて鞄を持ち上げ走り教室を出る菜摘

校舎を出てしばらく走り、あるビルに入る

そして一室の扉を開け、中に入った

一瞬、菜摘は白い光に包まれる

瞬間、直ぐに目がな慣れ
周りの様子が見えた

「あっ間に合ったね菜摘」

髪を後ろで束ねた綺麗なお姉さんが菜摘に話し掛ける

「はい。」

菜摘は、未だ整わな息を隠し返事をした

「化粧したら直ぐ撮影に入るからね」

菜摘は、お姉さんに連れら一旦その部屋を出て
隣の部屋に入った

「これ着て」

お姉さんに差し出された服を菜摘は着る

「丁度いいわね。椅子に座って」

お姉さんに言われるまま
菜摘は椅子に腰をかけた
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