密恋
菜摘は、翔の車が見えなくなったのを確かめ

額に手を当て、微かに微笑んだ

日曜、翔とまた会えるんだ
嬉しいなぁ
なんかニヤけてしまう。

楽しみだぁ

菜摘は、今までに無いくらい幸せな気持だ

はっ

早く帰らなきゃ
お母さんに怒られる!

菜摘は、慌てて化粧を落とし
髪を縛り上げ
制服を着てビルを出た



家に入ると

「遅かったわね菜摘」

母は、いつものように言った

「うっうん図書館に…」

「ご飯食べなさい」

いつもの会話
母は、少し遅くなったくらい気にしないか…

アタシは夕食を温めると、直ぐに二階へ上がった

鏡を見るとグロスが落ちていない

母は、いつでも私の事なんて見てはい無い

昔からそう

菜摘は、気晴らしに
翔から貰ったCDを聞いてみる事にした

カバンからCDを取り出し、昨日聴いていた学習のCDをどけてプレーヤーに入れ込む

菜摘は、そういう学習のCDしか持って無いから凄くドキドキする

イヤホンを耳に当てた

聞こえて来る優し歌声、恋愛ソングだ、片思いの歌

そういえば
翔、好きな人が居るって言ってた
その人を想って書い詞なのだろう
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