密恋
「ただし、成績は保つ事」

母は、人差し指を上に上げて言った


「勿論、お母さん有難う」

菜摘は、立ち上がり母に抱きついた。

「ごめんね菜摘、お母さん菜摘の事縛りつけてた」

うつ向く母

「そうよ、最悪。でも今のお母さんは最高だから許したげる」

菜摘は、ウィンクすると母から離れ

「じゃ行って来ます」

走って玄関を出た
後ろから聞こえる母の

「行ってらっしゃい」

の声が耳に心地よい

言いたい事は言うものだな

菜摘は、嬉しくて
いつもの道を走って学校へ向かった


教室に入ると、いつもの様に女子達の楽しそうな声が聞こえる

もう隠す必要無いんだし
声かけても良いよね

菜摘は、そう思ったが

やはり考え直し自席に腰を下ろした

先生にバレたら
内申下がるし
信用失うし

最終的に成績下がってモデルも辞めさせられるハメに…

駄目だ

やっぱり
この菜摘で通すしかない

仕方なく
いつもの様に、本をを取り出し読み始めた

本は顔も隠せるしね

その時

ガラー

勢い良く扉が開けられた

「翔!」

キャー

女子達の黄色い悲鳴と共に呼ばれた名前に見ると

翔がいた
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