密恋

何故か菜摘を睨んでいる

何で
いつもは来ないのに…
今日来るのよ

菜摘は、慌てて本で顔を隠した

だが近づいて来る足音
それは、菜摘の机の前で止まった

「翔…その子と知り合い？」

女子は驚いた様に言った
翔は、それを無視し

「おい」

菜摘に話しかけて来る

「何でしょうか」

バレないかと気にしているため
緊張し言葉が裏返る

「ちょと来い」

低く言うと
翔は、菜摘の腕を引っ張り上げた

「あの、何か用ならここで」

菜摘の声は無視し、睨み付けて来る翔

菜摘は、仕方なく
立ち上がった

そのまま引っ張られ、教室の外に連れ出される

「翔！」

驚いて追いかけて、来る女子達

「着いてくんな」

翔は、女子達を鋭く一睨みし
また歩き出した

「あの…どちらへ」

聞いても翔の返事は無い

こっちの菜摘は嫌われ者ね…

少し悲しくなり
うつ向く菜摘

階段を上がり
着いたのは屋上

フェンスに押し付けられる菜摘

「お前ムカつく」

翔の言葉に

「心当たりが無いのですが私、貴方に何かしましたか？」

不安になりつつ問いかける菜摘

取りあえず
今は化粧してないし
髪の毛みつあみだし