桜ヶ丘高校軽音楽部生活!!
『いただきます』
家族揃っての朝食。これは毎日の恒例行事だ。
いつも通り目玉焼きとウインナー2本のメニューになっている。
「あ、そういえば誠弥のブレザー姿、中々のモノじゃない、アナタ?」
「ああ、我が息子ながらよく似合ってるやんけー!」
親バカやねん……あ、つい大阪弁が……
「ありがとう。今更だけどなんか緊張してきた……」
「何言っちゃってんのよ。引っ越し作業で入学が2週間遅れちゃっただけじゃない」
その2週間がめちゃ大切なんだよ……
最初は肝心だ。新しい環境ともなればそりゃ重要度も増す。
僕はつい最近、大阪からこっちに引っ越してきた。標準語を必死で覚えたけど、正しいかどうかはわからない……
「鈴紗は学校楽しみだなぁ~!」
「ふ~ん、ごちそうさま。じゃあ鈴紗、僕は先に学校行くから」
椅子の横に置いてあったカバンを持って立ち上がると、鈴紗が焦ったように僕を呼び止める。
「あ! お兄ちゃん待ってよ!」
一気にウインナーを呑み込むと、牛乳を飲み干して僕の傍に走ってきた。
「2人とも新しい生活、がんばるんやで!」
『いってきまーす!』