桜ヶ丘高校軽音楽部生活!!
鈴紗と一緒に学校への桜並木道を進んでいく。鈴紗は桜が丘高校よりちょっと前にある桜が丘小学校に通うことになっている。
「お兄ちゃん」
「なんや?」
「大阪弁!」
「あっ……またやっちゃったよ」
「学校でも気を付けないとだよ?」
「うーい」
「お兄ちゃん、『はい』でしょ!」
なんだよ、自分が言い出したくせに……
「お前も、返事は『はい』だからな」
「うーい!」
「ダメだこりゃ」
もうこの子はダメだ……
徐々に近付く桜が丘小学校。校門には優しそうな女の先生が立って児童たちに挨拶していた。近付くと、こっちに小走りで向かってくる。
「おはようございます。もしかして、今日転校してこられる渥美鈴紗ちゃんかしら?」
笑顔が素敵な先生だ。この人が担任なら安心感あるな……
「はい、僕は鈴紗の兄です。鈴紗をお願いします」
「お願いします!」
「はい、よく挨拶できました。じゃあお兄ちゃんに挨拶してね」
「お兄ちゃん、帰りに迎え来てね!」
「はいはい、わかったよ」
「ふふ、優しいお兄ちゃんね」
「あ、いえ、そんなことは……」
「お兄ちゃん顔赤いよ!」
「うるさい。早く学校いきなさい」
「うーい……」
優しそうな女の先生は笑顔で僕に、さよなら、と挨拶して鈴紗を連れて小学校に入っていった。