おうじさまのしつけ


リビングに移動した俺達。


「姫様ぁ~、俺、姫様のこと
幸せにするからこっち来てよぉ」


池田、完全にヘタレている。


姫は俺の膝の上に座って
完全に池田を嫌がっている。



「俺、完全にフラれてるじゃ~ん。

聴いてください。フラれブルース」


ジャランッ。


アコギを手にし、勝手に歌い始める池田。


「恋はとつぜんぅ~
俺の心を引っ張り始めるんだぜぇ~
困るんだぜぇ~
でも拒めないんだぜぇ~
そんな俺はいつだって小心者~♪」


勝手に熱唱。

俺はいっつもこいつの事を放っといている。

めんどいから。


テーブルに置いておいた
ケータイのバイブが鳴る。

綾瀬からのメールだ。

先に言っておくが俺と綾瀬の間には何もない。

あいつは巨乳だけど性格がキツイので却下。

今だって事務的な連絡だ。


『明日、転校生来るって。
会長、学校案内任せられてるよ』


姫のじいちゃんめ、面倒な事任せやがって。


なんてこと、こいつの前では言えないけど。

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