おうじさまのしつけ

「実は私、あがり症なんです…」

「は?さっきまであんなにテンション高かったのに」

「そっそれは…自分が好きな
ケータイ小説の話になったから…」

さっきとは全く違って
庄司は小さな声でぼそぼそ話す。


「何回も練習するんですけど…
やっぱり本番じゃ失敗するんです…。

それをまたやっちゃうんじゃないかって…。」


緊張か。

確かに俺だって朝会のスピーチじゃ
毎回のごとく緊張する。

だから緊張しないように
テキトーに話して終了。

俺はテキトーな人間だから
それが俺の中で許されるけど

こいつにとっちゃあ
今が第一印象という
重大なもんだもんなぁ。


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