おれ、カノジョ溺愛中です。


ルカがむにゃむにゃと滑舌悪くぼやき、ベッドから降りる。

その仕草も危なっかしくて見ていられない。


たまらず手を差し出たが、彼女はそれに気づくことなく自力で立ち上がった。

…ちょっと切ない。


「何作ってくれたの?」

「ご飯と卵焼きと味噌汁」

「ありがと…」

これだ、この笑顔がもう大好きだ。

力が抜けたみたいにふにゃっと笑うルカ。

何だもうそれは狙ってるのかと言いたいが、寝起きの彼女にそんな思考力があるわけがないと知っているので何も言わない。


彼女は朝はご飯派だ。

というか数日ごとになくなってしまうパンを買いに行くのが面倒くさいらしい。

もう何だか、心配するのを通り越して笑えてくる。


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