おれ、カノジョ溺愛中です。


壁と同化してしまいそうなルカをじぃっと見つめていると、彼女はきょとんと首を傾げた。

何をしてもかわいいから正直言って困る。


「ご飯粒付いてた?」

そう言いながら自分の頬をぐいぐいこするものだから、もう。

本当に、勘弁してくれ。

「付いてないよ。…ルカが、かわいいと思って、見てただけ」

語尾がどんどん小さくなっていくのが、我ながら情けない。

ルカは首を傾げたまま、口の端をひん曲げて笑った。


寝ぼけていない時のルカの笑顔はとてもひきつっている。

不器用な笑い方だけれど、その笑顔もかわいらしくて好きだ。


ていうか俺、ルカの嫌いな所なんてあるんだろうか。

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