おれ、カノジョ溺愛中です。
俺をじぃっと見返してきたルカが、いきなりぽんと手を叩く。
手招きされて、俺は不思議に思いながらルカの側まで寄っていった。
耳にルカの唇が近づく。
「あのさぁ、もうすぐバレンタインだよね」
「そうだね」
「ルキ、何が食べたい?」
ルカを食べた…って俺は変態か。
よからぬ想像を振り切って、俺はルカに笑いかける。
「何もいらないよ」
それより俺は、面倒くさがりのルカがバレンタインを意識してくれていたことがうれしい。
それだけで俺もルカに好かれているんだと自信が持てるから、十分だった。
つくづく俺はルカに甘い。