王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~
「私、入学したばかりの頃、この学園って美形が入学基準に入っているのかなと思ったんだよね。そっか、三人が特別だったのか」
正直なところ、ほかの男子は顔もじっくり見たことがないので、今まで比較しようがなかった。
「じゃあ、男子と同室ってだけじゃなく、相手が久我さんだから、余計にみんなから羨ましがられていたのかな。知らなかった」
うん、うんと納得していると、腰に回されている手に力が込められた。
「オマエ、きもだめしの相手を指名するんだろう? さっさと決めて、この茶番を終わらせろ」
「あっ、そうだった」
久我の登場で忘れていたが、ピンチの真っ最中。なんとかしなくては。
「茶番だとわかっていて、来てくれるなんて隼人は優しいなあ。僕、感動しちゃう」
真坂は、美女と見紛うばかりの華やかな笑顔を浮かべている。
表情に比べて、言葉に若干の棘を感じるのは気のせいだろうか。
「半崎を利用するな」
久我の声も少し硬い。
この二人は仲良しだと思っていたけれど、なんだか少し変。