王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~
「隼人が行事に参加しないと、運営委員への苦情がすごいんだよね。人気者の宿命だと思って、そろそろ引きこもりをやめたら?」
寮運営委員は、久我を交流会に参加させたかったらしい。
それなら、強く誘えばよかったなと綾菜は素直に反省した。
「別に引きこもってなどいない。それより純也、オマエもいいかげん、俺を名前で呼ぶのはやめろ」
「指図されるのは嫌いなんだよね。僕はこれからも好きなように呼ぶ。ねぇ、隼人」
「勝手にしろ」
吐きすてるように久我が言う。
真坂の笑顔が挑戦的に華やいだ。
「というわけで、綾菜ちゃん、協力ありがとう。おかげで運営委員の面子が保てたよ」
「へっ? 協力って? 私、なにも……」
あんぐりする綾菜。
久我はため息をついた。
「オマエ、わかっていないのか? だしにされたんだよ」
「だし? 味噌汁のだしとかですか?」
久我のため息が深くなった。
御影は頭を押さえている。
真坂に至っては、なぜか大爆笑をしていた。