王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~

「隼人が行事に参加しないと、運営委員への苦情がすごいんだよね。人気者の宿命だと思って、そろそろ引きこもりをやめたら?」

 寮運営委員は、久我を交流会に参加させたかったらしい。

 それなら、強く誘えばよかったなと綾菜は素直に反省した。

「別に引きこもってなどいない。それより純也、オマエもいいかげん、俺を名前で呼ぶのはやめろ」

「指図されるのは嫌いなんだよね。僕はこれからも好きなように呼ぶ。ねぇ、隼人」

「勝手にしろ」

 吐きすてるように久我が言う。

 真坂の笑顔が挑戦的に華やいだ。

「というわけで、綾菜ちゃん、協力ありがとう。おかげで運営委員の面子が保てたよ」

「へっ? 協力って? 私、なにも……」

 あんぐりする綾菜。

 久我はため息をついた。

「オマエ、わかっていないのか? だしにされたんだよ」

「だし? 味噌汁のだしとかですか?」

 久我のため息が深くなった。

 御影は頭を押さえている。

 真坂に至っては、なぜか大爆笑をしていた。
< 119 / 191 >

この作品をシェア

pagetop