王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~

 困惑する綾菜。助け舟をだしてくれたのは理佳だった。

「とにかく、綾菜はきもだめしの相手を選べ。それでこの場は収まる」

 そうだ。御影か、真坂、どちらかを選ばなくてはいけなかったのだ。

「えっと、私……」

 やはり、決められない。

 どうしたらいいのだろう。

「おい。俺がなんのために、わざわざ来てやったと思っているんだ?」

 切れ長の瞳が、綾菜を覗きこんだ。

 そういえば、理由を聞きそびれている。

 欠席のはずだったのに、どうしてここにいるのだろう。

「顔をだしたことに免じて、指名される権利を特別に認めてやる。綾菜、どうする? 俺か? 純也か? それともこいつ?」

 御影は綾菜の選択肢に久我を加えた。

「久我さんを選んでも、いいの?」

 綾菜が触れても平気な男子は、久我ひとりだけ。いいと言ってくれるなら、悩む必要などない。
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