王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~

「……友達だと思っちゃダメなの?」

「だから、その目は卑怯だって」

「だって、不安なんだもの」

 卑怯だといわれても、答えが知りたい。

 眼鏡の奥にある気持ちを知りたくて、綾菜は視線を逸らさなかった。

 根負けしたのは御影。

「……お前がそうしたいなら友達でいい。ただし、ずっとじゃない」

「ごめん。意味がよくわからない」

 友情は片方の希望や期間限定で成り立つものではない。なのに、綾菜が望むならとか、期限つきいう理屈は理解しがたい。

 御影といい、久我といい、時々言葉が難解すぎる。

 もう少し噛み砕いて話してくれてもいいのに。

「だから、お前が俺にギブアップするまでは友達でいてやるよ」

「ギブアップと言われてもよくわからな……きゃあ」

 話している途中で、首に御影の片腕が回された。

 そのままずるずると引きずられる。

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