王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~
――七十一点。
答案用紙を握りしめる手が喜びで震えた。
数学でこんな点数を取ったのは生まれてはじめて。
うれしくて泣きそうだ。
「琥珀に報告しなくちゃ」
この時間なら、ロボット部の部室にいるはず。
綾菜は勢いよく扉を開けた。
「琥珀、やったよ」
足元に散乱する部品をぴょんぴょんと避けて、一目散に駆けよる。
「綾菜」
御影はロボットアームを調整中する手を止めてこちらを見やった。
「ねえ、見て。すごいでしょう?」
胸元に答案用紙を押しつける。
どんな賛辞がもらえるのか楽しみで仕方がない。
「これをどうコメントしろと? ボーダーギリギリ。この点数で褒められてもうれしくないだろう?」
「些細なことを指摘しないの。こんないい点数、もう一生取れないかもしれないよ。だから全身全霊で褒めてほしいのに」
「一生取れないって、お前の脳はどれだけ小っちゃいんだよ」
賛辞でなく皮肉だったが、うれしすぎて気にならない。
それになんといっても、この結果は御影のおかげだ。
答案用紙を握りしめる手が喜びで震えた。
数学でこんな点数を取ったのは生まれてはじめて。
うれしくて泣きそうだ。
「琥珀に報告しなくちゃ」
この時間なら、ロボット部の部室にいるはず。
綾菜は勢いよく扉を開けた。
「琥珀、やったよ」
足元に散乱する部品をぴょんぴょんと避けて、一目散に駆けよる。
「綾菜」
御影はロボットアームを調整中する手を止めてこちらを見やった。
「ねえ、見て。すごいでしょう?」
胸元に答案用紙を押しつける。
どんな賛辞がもらえるのか楽しみで仕方がない。
「これをどうコメントしろと? ボーダーギリギリ。この点数で褒められてもうれしくないだろう?」
「些細なことを指摘しないの。こんないい点数、もう一生取れないかもしれないよ。だから全身全霊で褒めてほしいのに」
「一生取れないって、お前の脳はどれだけ小っちゃいんだよ」
賛辞でなく皮肉だったが、うれしすぎて気にならない。
それになんといっても、この結果は御影のおかげだ。