王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~

「ごめんなさい。久我さんはいいひとなので、とてもうまくやれています」

 右手をあげ、宣誓する。

「よし」

 理佳は満足したのか、ようやく綾菜に狙いさだめていた手をおろしてくれた。

「確かに、すっごくお世話にはなっているんだよね……」

 部屋での生活を思いだし、綾菜は小さく息をついた。

「なに、なに? 久我くんになにかしてもらっているの?」

「綾菜、正直に言いなさい」

 ネタの匂いにすぐさま友人が食いついてくる。

 この女子っぽい感じは大好きだが、期待されているような面白い返事はできそうもない。

「ラブな話じゃないから、聞いてもつまらないよ」

「とりあえず話してみなよ」

「そうそう。白状しなさい」

「もう……。ただ、ほとんど毎日抱いてベッドに運んでもらっているだけ。つまらないでしょう?」
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