金欲
雅彦は今日も、金目当ての友達と金をやるかわりに遊んでいた。

雅彦は金がなければ生きていけない。

雅彦は、いつしか、金ですべてうまくいく自分が悔しくて切なくて堪らなくなった。

自分に憤りを感じた雅彦は友達のS君にこう言った

もし、俺がSに金をあげなかったら、Sは俺と友達でいてくれるのか?

Sは即答だった

「うん。大丈夫だよ。俺金をくれるから雅彦と遊んでるわけじゃないから」

雅彦は嬉しかった。

でも、雅彦は現実を知った。

Sにお金をあげなくして遊んでいると、いつしかSは遊びたくないと言うようになったのだ。

口では雅彦と友達ぶっていてもやはりSはお金が欲しかっただけなのである。


中学一年の雅彦はSと一回遊ぶだけで、それが例え30分でも千円はあげていた。

雅彦はみんなから「時給二千円」と呼ばれていた。
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