スターに恋をする
「しらいしさん…だいじょぶですか?」
ダサ男に話しかけられる。
「えっ…大丈夫です。」
ダサ男の顔を見たとき、目があった。顔が近く迂闊(ウカツ)にもきゅんとしまった。
素早く目をそらす。
「あぁ~!!あなたは今朝の…!!
…今朝は本当にすいませんでした。
僕の不注意で…」
急に表情が暗くなったダサ男。
覚えてたんだ。
ぶつかって、ほんの少ししか話してないのに…
「あぁ~いえいえ。全然大丈夫です!!
あっ!!っ先生!!早く補習やっちゃいましょ♪」
お尻はまだ少し痛いけど、こんなのすぐ治る。
「おっと、そうですね。いそがないとくらくなって
かえるのたいへんなっちゃいますね…」
ダサ男は思い出したかのように、はっ、として教卓に戻る。
ダサ男が向こうを向いた瞬間…
私は固まった。まるで時間が止まったかのように…
私の心臓は、今に飛び出してくるんじゃないかというほどに、ドクンドクンと動きはじめた。