スターに恋をする
「きみ……だいじょぶですか?」
うわっ…何このダサい人。
牛乳瓶のフタのように分厚い眼鏡に、ねずみ色のしわしわのスーツ…おまけに寝癖がそのままのボサボサの髪の毛。
漫画に良く出てくるダサいキャラの教師のようだった…
しかも、何故か日本語がカタコと…
一体何人よ!!
「はい…大丈夫です。………」
ほんの少しの沈黙…
「あっ!!かいぎ………」
そのダサ男はそういって足早に去っていった。
それにしても一体誰なんだろう…
最初はダサ男のことが気にかかっていた私だったが、時間が経つにつれ、ダサ男の事など忘れていた。
「え~っと、次は韓国語の授業かあ…。めんどくさいなあ…」
「もみじ~~~!!」
だるそうにしていた私に友達の海帆が声をかけてきた。
海帆とは高校に入って知り合った。あることで意気投合した私たちはすぐに仲良くなった。
「どしたあ~?」
「ねえ~ねえ~聞いた?」
「へっ…?」
「今日から韓国語の授業に韓国人の特別講師くるらしいよ~しかも……………
イケメン!!!」
へ~~~韓国人のイケメンねえ…
って、えぇ~~~~~~~~!!!!!
そう…私と海帆の意気投合した理由。
それは韓流スターのファンだと言うこと…
だからそんなおいしい話逃すわけがない…
韓国=イケメン
と言う考えの私のテンションは完全に上がっていた。