こはる日和



「ただいま」


誰もいない部屋に向かって帰ってきたことを告げる。


返事がない、ただの我が家のようだ。


「むしろ返事があったらこわくていやだ」



自分で言っておいてなんだが、返事は聞きたくない。

俺は幽霊が大嫌いなのだ。


「さて…」


荷物を置いて服を着替える。

ジャージに着替えるとやっとくつろげる気がする。



「さてさて、マイエンジェル達を愛でようかね」


飲み物をもってパソコンに向かう途中、嫌なことに気が付いた。



ベッドの布団が人一人分くらいに、


膨 ら ん で い る 。


「…」


まさか、そんなわけがない。


今まで一切おかしなものを見てこなかったのだ。


何かの間違いであってほしい。



あえて気にせずパソコンを起動する。



「……」



な に か 動 い て い る 。


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