~君を探してる~
一瞬、息が止まるかと思った。
訳もなく泣きたくなった。
どうして、『君』がいるんだろう・・
「-・・上原くんと・・倉野くん?」
誰だかなんて聞かなくてもわかるのに、
目に映る光景を信じられなくて、
確かめるように問いかけたら・・
「吹奏の部長の真優ちゃん?」
って、上原くんにびっくりするくらい
綺麗な笑顔で名前を呼ばれた。
「そう、です・・。」
そりゃぁ学年1モテる人に
微笑いかけられたら、
ついつい挙動不審にもなってしまう訳で。
『うん♪』
なんてクラスの女の子みたいに
可愛い子ぶる余裕もなかった。