~君を探してる~
「だから会ってみたくて。
どんなヤツがあの綺麗な音、
吹いてんだろう・・
って気になってたから。」
-----・・
「そうだったんだ・・。
よかった。私すごい嬉しいよ、
誰かに自分の演奏、
ちゃんと聴いてもらえて、
気にしてもらえてたなんて。
ありがとね、倉野くん!」
・・・・・。
まさか、こんなことになるなんて
思ってもみなかったから。
届いてほしい、って思ってた人に
ちゃんと私の音が届いて、
こうして目の前に倉野くんがいて、
照れ笑いしていること・・。
夢じゃないのに、夢みたいって。
「いや、俺こそありがとな。
今日は鈴本さんに会えてよかった。」
え・・・
「あ、私もだよ!」
“会えてよかった”
なんて・・
好きな人にそんな風に
言ってもらえるなんて・・・
なんか心がくすぐったい気持ちになる。
あ・・わかった。
これがみんなの言う、
『恋の病』の症状なんだ・・・