色×iro~素顔のままで~

「瀬野にケリでも入れるんじゃないかって思って」

ああ。
 
イタズラされてたとこ、見てたのか。

それで、連は彼のことのほうを、心配してたんだ。

岸田さんの事は助けたクセに。

「あの子に悪かったかもね。ちゃんと逃がせてもらったかな。潰されちゃってないかな」

「...大丈夫だと思うよ。すぐに見つけて外に逃がしてたみたいだった」

そこまで見てたのか。

じゃあ、あたしの反応や悪行も、全部見られてるな。

頭の中で、自分のやったことを、客観的に再生してみる。

可愛くなくて、嫌な奴。

自分の行動に、ため息が出た。

「あたしも、怖がればよかった」

自分のつぶやきに、驚く。

どうも調子が狂ってるな、あたし。

よっぽど連に頭の中を、やられちゃってるらしい。

「ま、瀬野が無事で良かったよ。カナブンもな」


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