色×iro~素顔のままで~

顔を上げる。

「誰もいないより、マシ?」

見たことないくらい、優しい表情の、連がいる。

けれど、

また、大きな音がして。

あたしは、連に、抱きついた。

バラバラと音がして、大粒の雨が降り出す。

怖すぎて、声が出ない。

心臓が、口から出そうなくらい、バクバクいってる。

けれど、雨の音だけ残して、雷の音は急激に小さくなった。

ちょっとだけ、冷静になる。

思いっきり、連に抱きついている自分がいる。
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