色×iro~素顔のままで~
      ⭐

チケットは、ライブのチケットだった。

これを受け取っていたとこは、数人の女子にちゃっかり見られたのだけれど、とりあえずはまだ、見て見ぬフリをしてくれている感じだった。

怖くはあるけれど、今後の行動に気を付けてれば、みんな忘れてくれる...と思うことにして、


あたしは、そのライブハウスに行ってみた。

トモエを無理矢理誘って。

で、後ろの方で、ボーッと立って

みんなとのテンションの違いに、ちょっと冷めながら見ていた。

何組か目。

もう帰ろうかな。

そう思った瞬間、歌いだされた曲に、顔を上げた。

テンポのいい、リズムの中。

切ない曲調と、この、声。
< 12 / 141 >

この作品をシェア

pagetop