色×iro~素顔のままで~
「って...もうじき準備できるから、呼んじゃおっと」

はぁ?

見ると、母はスマホをいじってる。

そうだった。

連とはラインのお友達だった。

「もうちょっと早くに教えないかな」

「だって、言ったら逃げそうだもん、あんた。雷の時はそれどころじゃないだろうけど、

...連くんのこと、昔から苦手でしょう?スイ」

驚いた。

苦手だったことなんかない。

好きでも嫌いでもなくて、

空気的な存在だった気がする。

「賢かったから、イヤだったのかなあ。いい子なのに、連くん」

それって、もしかしたら、母の、勝手な劣等感なんじゃないかな。

あたしが、優秀じゃないから。

そうか、そうなんだ。
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