色×iro~素顔のままで~
で、部屋の前で立ち止まると、

「入らない方がいいよな。来るなら来るで言っとけって言う...」

「そうだよ。...でも、大丈夫。わりと綺麗にしてると思うから」

あたしはドアを開ける。

「どうぞ」

壁の中のクローゼットに物をしまうと、部屋にはベットくらいしかなくなる。

掃除もしてるし、視られて困るものなんてない。

「意外に綺麗だな。ってか、机もないのな」

...ああ、あったか。

見られたくないもの。

「勉強しないから」

「よく、うちの高校行けたね」

「そこまでは頑張ってた。でも、あたしの希望は専門学校だから」

「そう、か...じゃあ、もうそんなには会えなくなるわけだ」

そうか、そうかも。

「先に、社会人になって、先に結婚しちゃうんだ」







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