色×iro~素顔のままで~
降りてくと、いつもは見たことないような、ご馳走で、テーブルが埋め尽くされていて、

「ごめんね、お父さん迎えに行かないといけなくて。

食べててもらえる?

会社の方まで行くから、遅くなると思う。

さき寝ちゃってていいから、ごめんね」

言って、母は出ていく。

連は、慌ただしく出かける母を見送ると、額を押さえてため息をつく。

「...あの人、大丈夫なんだろうか」

「え?」

「先に寝てていいって、あれ、オレに言ったんだと思うよ」

「何で?」

「オレ、今日泊めてもらうことになってるんだよ。鍵ないから帰れないし」

「...問題ないじゃん」

言って、客間な和室を覗く。

「大丈夫。布団もパジャマもあるよ。お化けも多分出ないし」

まだ、スッキリしない顔の、連の背中を、そっと叩く。

「あたしも襲いに来たりしないから、安心して寝て」

やっと、連が笑う。
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