色×iro~素顔のままで~
「...何だ、それならいいや」

「食べよう」

キッチンへ行って、向い合わせで、晩ごはんを開始する。

「お母さんって、料理上手だよなあ」

「...そうなのかな。

あの人さ、父のこと大好きなんだって。だから、本当は料理とか家事とか大嫌いだけど、

頑張るんだって、言ってたな」

「...そうか、道理で幸せそうだと思ってた」

「幸せで、ネジ飛んでるけどね。

連と一緒にご飯食べてるなんて、絶対楽しみにしてたクセに、

結局父優先って...」

連が笑う。

あたしは怒ってるのに。

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