色×iro~素顔のままで~
その彼が、あたしに速度を合わせたのは、

「何、力尽きてンの?遅刻するよ」

そう、声をかけるためで。

「分かってる。自分こそ余裕だね。走りながら歌ってるなんて」

「オレ、歌ってた?」

「歌ってたよ」

とっても上手にね。
 
彼の名前は一ノ瀬連(いちのせ れん)。

あたしの幼なじみだ。



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