色×iro~素顔のままで~
「新しい人に。あたしの仕事をきっちり押し付けておくってことよ」

「ふーん?で?退社って、会社辞めちゃうの?忙しすぎるから?」

レイカは、ニッコリ笑って、首を横に振った。

「結婚退社よ」

「えっ!!」

大きな声をだしそうなあたしを、レイカさんはなだめた。

「しーっ。そのうちわかっちゃうことだけど、あれこれきかれると嫌だから、なるべくこっそりことを運びたいのよ」

「おっ、おめでとう」

「ありがと。次の日曜は結納なの。また、帰ってくるわね」

レイカさんと手を振り合って、歩き出す。
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