色×iro~素顔のままで~

「あたしを含め、誰のコトだってまともに相手できない状態だってコトだよ。

だから、今、あせらなくてもいいんじゃない、かな」

「何で、そんな状態なの?」

「それは...まあ、色々あるんじゃないかな。あたしだってちょっと仲がいいってだけで、

実は、よく連のこと知らないのかも」

「ふーん」

納得いかない表情。

でも、あたしだってそんなに連のことを知らないってとこが気に入ったのか、

急に明るい表情になる。

「じゃあ、休戦しようよ?

一ノ瀬くんの心の闇が晴れるまでは、あたしも、スイちゃんも、自分から一ノ瀬くんに話しかけるのもダメ、ね?」

何でっ!?

なぜ、あたし、巻き込まれた!?

しかも、連が闇にとりつかれてることになってる。

「何か、一ノ瀬くん、闇が深そうだったから、向こうから頼ってきた場合は、特別に、話してもいいことにしてあげるから」

譲歩、されてる。




「分かった。約束する」

おもしろいから、いいや。
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