色×iro~素顔のままで~
あたしは、ドキッとした。

だって、それって、かなり、精神的にヤバい発言だ。

一緒に現実逃避してくれ。

なんて。

普段、結構冷静なヒトだから、なおさらだ。

相当に病んでるよ。

「ねえ、連。

連がそれでいいならいいけど、そこまで辛いんなら、

一回ちゃんとお姉ちゃんにフラれて来たほうが良くない?」

「それで、レイカさんと顔を合わせる度に、一生悔やめって言うんだな」

ニラまれる。

はい...ごめんなさい。

「わかった。逃げようね」

「逃げるって」

連は困った顔になる。

あたしも言葉の選び方を間違えてる。

...というよりは、正確すぎたんだと思うけど。

「どこに行く?いっそ、日帰り出来るギリギリの遠さのとこに挑戦してみる?

それか、遠くまで、普通列車の旅とか」

「オレ、すごい迷惑なやつだな」

「あたしは楽しいから大丈夫。でもね、他の子はダメだよ。連にそんなお誘いされたら、

絶対浮かれちゃうから」

「...迷惑なだけだと思う」

「迷惑だなんて思わないよ。連に誘ってもらいたい子なんか、いっぱいいいるんだからね。

そう思ってない子だって、一瞬で連に惚れちゃうわ」

「どっちにしても、わざわざ女の子なんかに頼まないけどね」

「ちょっと待て、あたしは女じゃないとでも?」

< 60 / 141 >

この作品をシェア

pagetop