色×iro~素顔のままで~


「さっき、オレが誘えば一瞬で惚れる。みたいなこと言ってなかったっけ?」

「...」

それで、試したのか。

あたしは連を置いて歩き出す。

連も慌てて歩き出す。


「怒ってる?」


言葉が追っかけてくる。


「別に。ただ、一緒にどこかへ行って欲しいのが、本気なのか、冗談なのか分からなくなった」

「ごめん。それは本気です。

オレ、一日中何にも喋らないかもしれないけど。

スイなら、それでも許してくれると思って。

だから、本当にスイじゃないと駄目なんだ」

相手に気を使ってる余裕がない、ってことか。

でも独りにはなりたくない。
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