色×iro~素顔のままで~
先にいると思ったんだけど。
真っ直ぐ続く廊下の先には、ヒトの姿なんてない。
少し先で廊下が左右に開けているのが見えて、あたしは何も考えずに、右に曲がってみた。
瞬間、視界がふさがった。
こちら向きに歩いてきていたヒトがいたのだ。
確かめもしないで曲がった、あたしのせいで、衝突しそうになった。
身をすくめて、
けど、次の瞬間にはしっかり抱きとめられていた。
「ごっ、ごめんなさい」
顔をあげると、イッセーがいた。
今、ぶつかりそうになったのは、彼だったのだ。