色×iro~素顔のままで~


「大丈夫か!?」


大丈夫なんかじゃなかった。

けれど、顔をあげた。

何かが気になって。

イッセーはすぐそばにしゃがんで、あたしを覗き込んでいた。

心配そうな瞳。

その目で真っ直ぐにこっちを見ている。

そして、両手を廊下につけて、あたしの方に身を乗り出してくる。

薄くて綺麗な口元が、微妙にへの字にゆがんでいる。

間近にそれを見て、直後、


「黙ってて、悪かった」


耳元にささやかれた。
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