色×iro~素顔のままで~
「で、どう?夢は壊れた?」

覗き込んでくる、その目に、期待が一杯見える。

夢が壊れて欲しかったのか、逆なのかはわからないけど。

でも、そのせいで、

連があたしの耳元にささやきかける、直前の映像がよみがえる。

あのときは、まだそれがイッセーさんだと思ってた。

けれど、あれは連で。

・・・困った。

「はい、真っ赤になってます」

わかってる。

...連だったんだって思った方が、心拍数が倍増した。

驚いたせいかもしてないけど。

「...あたし、帰る」

連が戻ってこないうちに、あたしは逃げることにした。

明日になったら、この感じは消えてるかもしれないし。


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