色×iro~素顔のままで~

「バンド始めるときに、学校にバレない方がいいかなと思って、変装の意味も込めて、メガネをかけてたんだ。

けど、隠すつもりない人にまでわかってもらえないし。

バカらしいからやめることにした」

隠すつもりのない人って、あたしか?

「伊達、だったんだ」

「・・・いや、何か、オレの目、太陽光に若干弱くて、

本当は外ではかけときたいんだけど、室内入ったらはずす・・・

とか面倒くさいんで、いっそやめた」

そういえば、小学生のころには、朝礼とかでよく気分悪くなってたな。

あれって、貧血とかかと思ってたけど。

目のせいだったのかも。

「大丈夫なの?裸眼で」

あたしはつい、連の横に並んでしまった。

「今日は、曇ってるからね。

でも、実は、晴れの日用の眼鏡、新しく買ったんだ。

あんな、カッコ悪くないやつ」

「そうか。あれは、ちょっとカッコ悪かったかも。でも」

「何?」

「女の子が放っとかないな」

連はまじまじとあたしを見る。

「オレがモてたら、困る?」


< 86 / 141 >

この作品をシェア

pagetop