色×iro~素顔のままで~
「バンド始めるときに、学校にバレない方がいいかなと思って、変装の意味も込めて、メガネをかけてたんだ。
けど、隠すつもりない人にまでわかってもらえないし。
バカらしいからやめることにした」
隠すつもりのない人って、あたしか?
「伊達、だったんだ」
「・・・いや、何か、オレの目、太陽光に若干弱くて、
本当は外ではかけときたいんだけど、室内入ったらはずす・・・
とか面倒くさいんで、いっそやめた」
そういえば、小学生のころには、朝礼とかでよく気分悪くなってたな。
あれって、貧血とかかと思ってたけど。
目のせいだったのかも。
「大丈夫なの?裸眼で」
あたしはつい、連の横に並んでしまった。
「今日は、曇ってるからね。
でも、実は、晴れの日用の眼鏡、新しく買ったんだ。
あんな、カッコ悪くないやつ」
「そうか。あれは、ちょっとカッコ悪かったかも。でも」
「何?」
「女の子が放っとかないな」
連はまじまじとあたしを見る。
「オレがモてたら、困る?」