色×iro~素顔のままで~
     ...
廊下の先で、悲鳴が起きた。

あ、岸田さん。

その、泣きそうな顔を、見たのは今日、二回目だな。

笑ってる、瀬野という、大柄な男子。

どうやら、彼女をそういう表情にしたのは、こいつらしい。

でも、どうやったのかは、わからない。

彼女は逃げていく。

瀬野はニヤニヤしてまだそこにいるけど、

あたしは、かまわず通り過ぎようとした。

と、

< 97 / 141 >

この作品をシェア

pagetop