色×iro~素顔のままで~

大柄男子が、ニヤニヤ近づいて来た。

ぬっと、あたしの目の前に手を差し出して、開く。

どきっとした。

つい、足が止まる。

コイツの行動が急に読めた、のだ。

その手の中に、蛾とか仕込んでたら、どうしよう。

けれど、そこにいたのは、茶色のカタマリだった。

甲虫?

カナブンかな?

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