色×iro~素顔のままで~
瀬野がサッと手を伸ばして、あたしの肩に、何かを乗せた。

ああ、そうなんだ。

授業中に、コイツもあの光景を見てたのかもしれない。

だから、面白がって、彼女に虫を見せたんだ。

で、次に通りかかったあたしには、ご丁寧に肩にのせてくれたんだ。

全く。

今日日、こんなくだらないイタズラ、小学生でもやらないわ。

あたしは自分の左肩に目を落とす。

けれど、ソイツの姿が見えない。

這ってる感覚をたよりに、手をのばして、掴み取る。

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