~Dear~

「あたし・・・もう一度やりたい。」



ふと梓が言った。


梓は中学まであたしと一緒にバスケをやっていた。


あたしが4番で梓が5番。


あたし達のコンビは最強ってぐらい強かった。


だけどある日の試合で大きな怪我をしてしまいあえなく断念する事になってしまった。


あたしもその頃からだんだん体に負担が大きくかかり始めちゃったので辞める事になった。



近くでこうやって楽しそうにバスケをしている姿をみると、やっぱりやりたくなっちゃうよね。


「あたしも・・・・」


もう一回・・・この大きなコートを全力で走りたい・・・・


「なぁ~んて、無理なのにね?まぁこうやって近くで見れるだけいっか♪」


そういって笑う梓の笑顔は、なんだか切なげだった・・・・・


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