抱えたキセキ、
前の席のアイツ
「ごめん…別れてくれないかな」
「え…っ?」
「好きだよ、月那」
「ちょっ、龍聖!」
私。竹下月那、高校2年生
ずっと付き合っていた彼、桐原龍聖に別れを告げられた。
しかも、意味深な発言を残して…
「……りゅう…」
ここは、お洒落な喫茶店。暗い雰囲気は、まったく似合わない。
ドンッ!
と、りゅうが去ってすぐに衝撃音が聞こえた。
―――嫌な予感がする。
急いで喫茶店を出る。
「……っはぁ」
少し走ってみると、道路に人だかりが出来ていた。
「ちょっ…スミマセン!通らせてください!!」
人込みをかきわけて、中心部に行く。
そこでみた私の光景は、
「……嘘でしょ…?」
もう、永遠に目覚める事のない眠りに着いた龍聖だった。