抱えたキセキ、
前の席のアイツ



「ごめん…別れてくれないかな」

「え…っ?」

「好きだよ、月那」

「ちょっ、龍聖!」


私。竹下月那、高校2年生
ずっと付き合っていた彼、桐原龍聖に別れを告げられた。
しかも、意味深な発言を残して…



「……りゅう…」


ここは、お洒落な喫茶店。暗い雰囲気は、まったく似合わない。


ドンッ!


と、りゅうが去ってすぐに衝撃音が聞こえた。


―――嫌な予感がする。


急いで喫茶店を出る。

「……っはぁ」

少し走ってみると、道路に人だかりが出来ていた。


「ちょっ…スミマセン!通らせてください!!」


人込みをかきわけて、中心部に行く。


そこでみた私の光景は、


「……嘘でしょ…?」



もう、永遠に目覚める事のない眠りに着いた龍聖だった。


< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop