憧れの人は、バスの中



陸は、急に怖い顔になった。


陸だってもう中学2年。

力だってあるし、怖い顔だって出来る。




「お母さん」


陸は、今までに聞いたこともないくらい低い声でお母さんを呼んだ。


相当怒ってる。


お母さんは、陸の気迫に後ずらりしている。



「今まで、何もかもお母さんのいうとおりにやってきた。」


「そうよ、陸はあんたなんかと違ってものすごくいい子なんだから」


また、あんたか…


お母さんは、いつになったら私の名前を呼んでくれるのだろう。






「ねぇちゃんの名前は、あんたなんかじゃない!!!!!
美穂って言うお母さんとお父さんがつけた名前がしっかりあるんだよ!!!」



陸、ありがと



私の代わりに言ってくれて。



私は、今までのストレスとこの緊張感から倒れてしまった。


「おい!!、美穂!!」


蓮の声が聞こえる。


私は、やっぱり弱かったんだね。






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