CRaSH-クラッシュ-
すべてのハジマリ
どこを見ても白、白、白。

目に入って来るのはすべて白だ。


どこからどこまでが壁なのか、目の前には白しかない。


いつあらわれたのか、2つの人間の形をした生命体がいる。地に足がついているのか、浮いているのか、すべてが白で判断出来ない。

2つともそっくりで、髪は綺麗なストレートで肩まであり銀色。線は細く、色白で男でも女でもなく。ただキレイだと感じてしまう。
真っ白なダボダボのつなぎを来て、顔が浮いてるようで不気味にも感じてしまう。

違いがあるとすれば、目の色だ。片方は瞳が真っ赤で、もう片方は透き通るような青い瞳の違いしかない。


赤い瞳はただ立って斜め上を見ている。だだ真っ白なこの場所で何が見えるのか、口の両端を上げてポツリと呟いた。

『そろそろだな。終わりが近づいてる。』


その横で赤子のように座り、何かをいじっている緑色の方が赤い方を見上げて、甘い喋り方で

『なにがだい?ギン』


呼ばれた赤い瞳の方は、斜め上を見上げたままで、

『一つの生命体の終わりだよ。まぁ、アイツが黙ってないだろうな。まぁ、ボクたちには関係のない話だよ。ジン』


ふぅ〜ん、と鼻を鳴らしながらジンは手元に視線を戻して、

『アイツってアイツのこと?アイツが出ても話は解決しいよね?ギンはどうするの?』


『まぁ、様子を見て考えるよ』

と、言ってからギンはどこからともなく消えてしまった。


『やっぱり…逢いたいんだね…切り捨てられた生命体テラか…』

と、ジンは今までギンがいた方を見上げて呟き、白の中へ消えていった。


そこには、白しか存在していない。
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop