アクシデントな恋

最後の演奏が終わり
盛大な拍手と共に

「アンコール、アンコール…」

と凄い歓声


袖に下がったメンバーは
その歓声に感動していた。

ベース担当の田中君が

「アンコールに答えなくちゃ…」

と皆を見た。


「曲は?」

と、香が言って
相談をしていると…

司会者から何かメモを
のぞみが受け取った。

それを見て
潤と寿麻以外のメンバーに回した。


潤も寿麻も
自分達には回らない紙が
気にはなっていたが
メンバー内の事で自分達には関係が無い事だと思い
聞こうとはしなかった。



そんな中…
アンコールの曲が決まり
又、ステージへ

一曲終わると
幕が閉じ…潤、寿麻以外のメンバーが袖に下がった。

何が起きたのか解らないで居ると…



トロンボーンの音が

その音が始まると同時に
又、幕が上がり

そこに登場したのは
龍だった。


龍はトロンボーンを吹きながら
袖から出て来て
寿麻に目で合図を送っていた。


寿麻は
『一緒に演奏をしよう』
と、龍が言っているのだとわかった。

何故なら
寿麻の大好きな曲
虹のかなたへ(オーバーザ・レインボー)
だったからだ。


潤は龍に負けじと
寿麻と一緒にピアノを弾いた。


他のメンバーに回った紙は
龍からの物だった。

トロンボーンを借りたいと言うこと
寿麻と演奏をしたいと言う内容だった。

皆は言葉にはしなくても
快く応じたのだ。
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