アクシデントな恋

朝、寿麻が目覚めると…
目の前には龍の顔…!
抱きしめられたまま寝ていた。
寿麻はビックリして飛び起きて状況を自分なりに整理する。

『まさか…自分から?
いくら寝相が悪くても…
龍…気づいてないよね。』

寿麻は龍を起こさないようにそっとベッドを降りた。

すると…

「起きたのか?おはよう。」

龍が急に声をかけたので、ビックリ!

「えっ…あっ…おはよう。ごめん、おこしちゃった?」


寿麻はさっきまでの状況を考えてしまって、顔が真っ赤になっていた。


「どうした?熱でもあるのか…?顔が赤いぞ。」


龍が寿麻のオデコに手をあてようとすると…


「ごめんm(__)m大丈夫だから…」


寿麻は龍の手を振り払ってしまった。

その行動に龍は少しムッ!っとしたが…

「そうか…」

それだけ言って起き上がった。


すると、龍の携帯が鳴った。


「お祖父様からだ…なんだろう?

もしもし、おはようございます。
えっ…そうですか…でっ…出発は?
わかりました。
寿麻にも教えておきます。
はい、一緒です。
昨日は寿麻のご実家に泊めて頂きました。
はい、わかりました。
では…」


電話が終わると


「寿麻…美里が中国に留学するそうだ。
急に決まったみたいだ。
出発なんだが…あちらの大学の都合や美里の希望もあって、来週には向こうに行くらしい。」


それを聞いた寿麻は、自分のせいで…美里が留学を早めた。
と思い込んだ。


それを見透かすように龍は…

「寿麻…お前のせいじゃないからな。」

と龍は言って、リビングに降りて行った。
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