promise
しかし、変な女だったな

もう春なのにニット帽深く被って、サングラスまでして

その上、俺がどこの学校かまで聞いてきた

あのままいたら、個人情報全て聞き出されそうな気配に恐怖と面倒くささを感じたのでさっさとその場を立ち去った

歩きながら考えるのはあの犬のこと

あの犬、どことなくジュウに似てたよな

ジュウって言うのは、俺とあいつが生まれた日にあいつの親父さんが買ってきて、一緒に育ったあいつが飼ってた柴犬の名前

名前の由来は、額部分の白い毛が十字の形をしてたから

あの頃は、俺、あいつ、兄貴とあと他の幼馴染み三人にジュウ

六人と一匹でいつも日が暮れるまで遊んでたっけ

そんな思い出に浸っている内に、俺は学校に着いていた
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