「日常返せ」
夢だったらいいよ。


何不自由なく暮らしてました。



彼が隣の席になるまでは。













***********


また席替えか
めんどくさいからこのままでいいのに…


思うこととは裏腹に始まった席替え。

くじ引きの袋を持った先生が順に回ってくる


「はい、引いて」

にこやかに袋を差し出され
若干めんどくささを残しながら引く。


「34番…」

窓際一番後ろ
私ついてるかも…。

心の中でガッツポーズ決めて冷静に移動開始。


いぇす!
窓際いぇす!
後ろいぇす!
いぇすいぇす!!


「あ、隣は秋山さんか。よろしく」

「え」

誰かに話しかけられ振り向けば
爽やかな男子がいた。

確か、校内でイケメンイケメンって
騒がれてたな…名前なんだっけ


とりあえず
よろしく、と返して会話は終了。


その日、一度も名前を思い出すことはなかった。
< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop